乳房内の乳腺の量は、年齢や個人差によってさまざまです。閉経後は加齢とともに、乳腺が減って脂肪の割合が増えていくのが通常です。
マンモグラフィ検査では、X線の通過しにくい乳腺は白く写り、通過しやすい脂肪は黒く写ります。腫瘤も白く写ります。乳房に占める乳腺の組織の割合のことを、マンモグラフィでは乳腺濃度といい、ざっくりと元々乳腺がある領域の中の乳腺の割合が50%以上の場合、デンスブレスト(高濃度乳房 dense breast)と言います。白い背景の中の白い病変は区別しづらいため、デンスブレストでは病変の検出感度が落ちてしまいます。
デンスブレストの方は、超音波検査を追加することで病変の検出感度が上がります。日本人の40歳代の約6割位の方が、デンスブレストとの統計があります。
デンスブレストは、あくまで乳房内の乳腺の割合が多い状態をいい、それ自体は病気ではありません。マンモグラフィ検査でデンスブレストと判定した場合には、病変を見つけにくい乳房であること、任意型の個人検診の場合に超音波検査を追加するという選択の情報にもなりますので、本人にお伝えすることが勧められます。
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