「海の日」の今日も、災害級の暑さですので、熱中症には厳重に警戒してお過ごしください。
通常私たちが目にする薬には、1つの薬剤に対して、薬の有効成分名を把握できるようにした「一般名」と製薬会社がその有効成分を含む薬に対して名付けた「商品名」(登録商標)の2つの名前があります。
例えば、抗HER2ヒト型モノクロナール抗体であるトラスツズマブ(一般名)は、HER2蛋白を標的とした乳がん治療薬であることから「HER」、標的を捉えることを表す 「-cept 」、蛋白 protein を組み合わせて、ハーセプチン® HERCEPTIN® と商品名が名付けられています。また、睡眠薬のゾルピデム(一般名)の商品名は、各個人(my)の睡眠(sleep)を改善することから、マイスリー® Myslee® となっています。商品名のほうが、なんとなく愛着がわきます。最近は後発医薬品の名称は、一般名+「会社名」を用いるようになってきて、愛着という観点からすると少し味気ない気もします。
内服薬の場合、処方箋に商品名を記載すると、その商品を特定することになりますが、一般名で記載した場合には、価格を含めて好きな商品を選ぶことができるようになります。選択肢の自由度が増すことになり、後発医薬品の普及の視点からも一般名記載による処方が推進されているところです。
涼しいところで、お薬手帳をみて、薬の名前の由来に思いを馳せるのもいいかもしれません。
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