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お知らせ

乳がんの術式選択にあたって

  • 7月28日
  • 読了時間: 2分

乳がんの治療は、全身療法(薬物療法)と局所療法を組み合わせて行います。局所療法としての手術には、大きく分けて乳房全切除術(胸筋温存)と乳房部分切除術(乳房温存術)の2つがあります。適切に放射線治療を組み合わせた乳房部分切除術と乳房全切除術では、生存率に差がないことが分かっています。

近年は画像診断の進歩により、微小な病変も発見できるようになり、手術前に病変の広がりをより正確に評価できるようになりました。病変の範囲が限られており、乳房温存を希望される場合には、乳房部分切除術を選択することができます。一方で、整容性(見た目)の保たれた乳房温存が難しい場合や、病変が広範囲に及ぶ場合、あるいはBRCA遺伝子変異が認められる遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)の場合には、乳房全切除術が勧められます。

乳房全切除術を選択する場合には、乳房再建についても検討します。乳房再建が保険適用となって以来、再建を希望される患者さんは増加しています。また、条件によっては乳頭乳輪を温存する皮下乳腺全切除術や、内視鏡を用いた手術が選択できることもあります。

さらに、15mm以下など一定の条件を満たす早期乳がんでは、手術に代わる低侵襲治療としてラジオ波焼灼療法が選択肢となる場合があります。また、術前薬物療法によって腫瘍が縮小した場合には、切除範囲を小さくできることがあります。

乳房部分切除術では放射線治療を併用しますが、近年は寡分割照射の普及により、約3週間程度で治療を終えられるようになっています。

腋窩リンパ節に対する手術も縮小化が進んでいます。詳細な術前診断とセンチネルリンパ節生検を組み合わせることで、多くの患者さんで腋窩リンパ節郭清を省略できるようになり、リンパ浮腫や肩関節機能障害などの後遺症の軽減が図られています。

このように、乳がんの手術では患者さんご自身の希望を大切にしながら、根治性、整容性、そしてQOL(生活の質)を総合的に考慮して治療方針を決定します。それぞれの治療法にはメリットとデメリットがありますので、十分にご理解・ご納得いただいたうえで治療を受けていただきたいと考えています。


 
 
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