授乳期におこる乳腺炎についてのお話しです。
娘結節のブログでもお話ししましたが、乳房には腺葉と呼ばれる乳腺の単位が乳頭を中心に放射線状に 約15-20個あり、乳頭にはミルクの開口部が腺葉の数だけ存在します。授乳経験のある方は、部分的な張りを感じて、この腺葉を意識したことがあるのではないかと思います。
何らかの理由で排出されず作られたミルクが鬱滞してしまうと、その腺葉が張り、痛みを感じるようになります。鬱滞が長引くと、熱感、皮膚の発赤といった局所の症状から発熱といった全身の症状を引き起こします。局所がさらに悪化すると化膿して膿瘍を形成してしまいます。鬱滞→鬱滞性乳腺炎→化膿性乳腺炎という経過です。対処の基本は、授乳と搾乳でミルクを排出させることです。必要に応じて、授乳中でも使用できる消炎鎮痛剤および抗生物質を使用します。化膿した場合には、排膿処置が必要用な時もあります。
授乳中には誰にでも起こり得る事柄です。腺葉に一致した張りと痛みを自覚したら、乳頭のミルクの開口部を意識して早めに対処するのがいいと思います。
今回は、蓮の実をイメージしました。
