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晩期再発について

  • morishima4
  • 4月8日
  • 読了時間: 2分

再発は、体の中に潜んでいたがん細胞が時間をかけて成長し臨床的に顕性化するものです。局所・温存乳房内・所属リンパ節・遠隔リンパ節・肺・肝・骨・脳などに起こりえます。

時期としては術後3年以内に起こることが多いのですが、ホルモンレセプター陽性乳がんでは5年目以降の再発、いわゆる晩期再発が、再発の約半数を占めます。晩期再発は、がん細胞が休眠状態に入ることが原因の1つではないかと推測されています。

複数の大規模臨床試験の結果、ホルモン療法(タモキシフェンまたはアロマターゼ阻害薬)を5年を超えて継続することの有益性が示されています。リンパ節転移陽性・サイズが大きい・核グレードが高いケースでは、晩期再発リスクを考慮して、10年間のホルモン療法が多く行われています。安全な薬剤ではあるものの、子宮内膜増殖や骨密度低下の副作用がありますので、各個人にとって10年の治療が必要なのか5年で充分なのかが知りたいところです。臨床所見に加えて、CTC(循環腫瘍細胞)やctDNA(循環腫瘍DNA)や新しいバイオマーカーなど晩期再発の予測因子の確立が望まれます。

実臨床では、術後10年で通院が終了(卒業と呼んでいます)となることが一般的です。無再発10年経過は大変喜ばしい事です。卒業時には、健康に留意し、晩期再発を含め、対側発生、温存乳房内発生、別臓器のがん発症、コレステロールや血糖値などを含めた全身のチェックのために人間ドックなどをお勧めしています。


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