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お知らせ

構築の乱れ Architectural distortion

マンモグラフィ検診の結果で、「構築の乱れ」という結果が返ってくることがあります。聞きなれない言葉ですが、乳腺の構造が部分的に歪んでいたり、引きつれている状態をさすマンモグラフィの所見用語です。用語としては、花火のように一点から放射状に広がる線が見えるspiculation、乳腺実質の辺縁が局所的に引き込まれて見えるretraction、魚の骨や蝶ネクタイのように見える広義のdistortionの3つがあります。

マンモグラフィでは、乳房を圧迫して撮影します。炊き立てのお餅をはさむと均等に引き伸ばされる様に、シーツをベッドに綺麗に張った時にシワがないのと同様に、正常の場合は、傘を開いた時のように乳腺全体が伸びて広がります。構築の乱れの存在は、引きつれをきたすような周囲に比べて硬いものがあることを示唆しており、通常型浸潤がん(牽引発育型)、浸潤性小葉癌、非浸潤がん 硬化性腺症、放射状瘢痕・複雑型硬化性病変、炎症、手術瘢痕など、が存在する場合があります。病変がなくても圧迫の過程で、引きつれているように撮影されてしまう場合もあります。

診断においては、腫瘤や石灰化とは逆に少し遠巻きに見る、乳腺の膨らみの左右差や局所的な細まりの有無を見る、乳腺の辺縁を全周性に見る事で存在に気づきやすくなります。存在が明らかな場合はカテゴリー4、疑わしい場合はカテゴリー3と評価することとなっています。再現性と存在部位と大まかなサイズを把握して、背景の濃度上昇や石灰化の随伴の有無、手術創の有無を確認して、超音波検査での精査を進めます。


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