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乳がんの基礎知識

女性がかかる「がん」は、乳がんが第1位

日本では、女性の約9人に1人が乳がんになるといわれています。

乳がんは、30歳代から増加し、40代後半が最初のピークとなることから、子育てや介護、仕事などで忙しく活躍する時期にかかりやすい病気です。

乳腺外科・乳腺内科 柏の葉ブレストクリニック 年齢階級別罹患率(2019年)

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)

乳がんは「乳腺」にできるがん

乳がんは、乳腺組織(母乳を作り出す「小葉」と母乳を乳頭まで届ける「乳管」を合わせたもの)から発生するがんです。

初期段階のがん細胞は、乳管・小葉の中にとどまっています(非浸潤がん)が徐々に乳腺の外やさらに離れた臓器に広がっていきます(浸潤がん)。

非浸潤がんは「ステージ 0の乳がん」とも言われ、適切な治療(手術)を行えば、完全に治すことが期待できます。

乳腺外科・乳腺内科 柏の葉ブレストクリニック 非浸潤がん

非浸潤がん

乳腺外科・乳腺内科 柏の葉ブレストクリニック 浸潤がん

浸潤がん

乳がんは早期発見・治療で、完治を目指すことができる

乳がんは、早期発見・治療できれば、予後のよいがんとして知られています。

だからこそ、常日頃からセルフチェックを習慣化し、乳がん検診を定期的に受けることがとても大切です。

乳腺外科・乳腺内科 柏の葉ブレストクリニック 乳がんの進行度別5年相対生存率
  • 相対生存率:あるがんと診断された場合に治療でどのくらい生命を救えるかを示す指標の一つ。
    異なる集団や時点などを比較するために用いられ、診断から5年後の相対生存率(5年相対生存率)が慣例的によく用いられます。

  • 限局:がんが最初に発生した臓器にとどまっているもの

  • 領域:リンパ説や隣接する臓器に広がっているもの

  • 遠隔:がん細胞が、血液やリンパ液にのって離れている臓器に広がっているもの

出典

全国がん罹患モニタリング集計 2009-2011年生存率報告(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター, 2020)

独立行政法人国立がん研究センターがん研究開発費「地域がん登録精度向上と活用に関する研究」平成22年度報告書

乳がんのリスクが高いと考えられている方

乳がんの原因はまだ解明されていませんが、次のような方は、乳がんのリスクが高いと考えられています。

当てはまる人は、40歳以下でも定期的に乳がん検診を受けましょう。

※当てはまる人が必ず乳がんになるわけではありません。当てはまらない人でも乳がんになる可能性があります。

乳がんのリスクが高い方

● 家族(祖父母、父母、兄弟姉妹)で乳がんや卵巣がんにかかった⼈がいる

● 初潮が早く(11歳以下)、閉経が遅い(55歳以上)

● 初産が30歳以上、または出産経験、授乳経験がない

● 閉経後の肥満

● 40歳以上

● 乳腺疾患(乳腺症など)にかかったことがある

● 乳がんになったことがある

● 喫煙する

● アルコールをよく飲む

ブレスト・アウェアネスを身につけよう

女性が自分自身の乳房の状態に関心を持ち、乳房を意識して生活することを「ブレスト(乳房)・アウェアネス(意識)」といいます。これは近年、世界中で提唱されているもので、乳がんの早期発見において非常に重要なポイントとなるものです。

ブレスト・アウェアネス 4つのポイント

  1. 普段から乳房をチェックして、自分の乳房の状態や月経周期による変化を知っておきましょう。

  2. 乳房の変化に気を付けましょう。

  3. 気になる変化に気づいたときには、検診を待たずにすぐに乳腺専門医に相談しましょう。

  4. 自覚症状がなくても、40歳から2年に1回、乳がん検診を受けましょう。

乳がんの症状・セルフチェックについて

以下のような症状はありませんか?

乳房のしこりは、乳腺症など、乳がん以外の原因によっても発生することがあります。

気になる症状がある場合は早めに乳腺専門医を受診し、早期発見につなげましょう。

乳房に「しこり」のようなものを感じる

乳頭から「分泌物」が出ている

乳房の皮膚に「くぼみ」や「引きつれ」がある

乳房・乳頭に「湿疹」や「ただれ」がある

「乳頭が陥没」してきた

左右の「乳房の形が非対称」になった

乳腺外科・乳腺内科 柏の葉ブレストクリニック セルフチェックについて

乳がんの診断の流れ

乳房の検査(​乳腺外来・乳がん検診)

マンモグラフィや超音波検査を行います。

精密検査

乳がん検診で「要精密検査」と指摘された場合や乳がんが疑われた場合は、マンモグラフィ、超音波検査、病理検査(細胞診・針生検)、腫瘍マーカー検査などを行い、さらに詳しく調べます。

診断

良性(異常なし)または、悪性(乳がん)の診断を行います。

​治療方針を決めるための検査

乳がんと診断された場合は、MRI、CTやPET検査などで、どの程度がん細胞が広がっているのかを調べます。

さらに、がん細胞の性質(サブタイプ)を評価し、これらの情報に基づいて、それぞれの患者さんに合った治療方針を決定します。

乳がんのサブタイプとは?

がん細胞の性質によって、乳がんを分類したものを「サブタイプ」と呼びます。このサブタイプは病理検査(針生検で、がん細胞の表面にあるタンパク質を調べて判定します。

タイプ毎に、薬の反応性や増殖する力の強さなどが異なりますので、サブタイプに基づいて、ホルモン療法(内分泌療法)や抗がん剤療法(化学療法)、分子標的療法(抗HER2療法)などから適切な薬物療法を選択していくことになります。

乳腺外科・乳腺内科 柏の葉ブレストクリニック 乳がんのサブタイプ

ルミナル型:女性ホルモンに対する受容体(エストロゲン受容体とプロゲステロン受容体)をもつ「女性ホルモン受容体陽性乳がん」の大部分と一致する乳がんのこと

HER2陽性:がんの増殖に重要な役割を果たしているHER2受容体が過剰に発現しているタイプの乳がんのこと

 

トリプルネガティブ型:2つの女性ホルモン受容体(エストロゲン受容体とプロゲステロン受容体)とHER2受容体を発現していない乳がんのこと

乳がんの治療

乳がんの治療法には、手術・薬物療法・放射線治療があります。

がんのステージ(進行度合い)や性質(サブタイプ)を見極めたうえで、お一人おひとりに合わせた治療法を計画していくことになります。主治医と十分に話し合い、納得して治療を受けることが大切です。

乳がんの状態や治療方針に不安や疑問がある場合や、他の選択肢がないかを確認したい時には、セカンドオピニオンを受診することもできます。

乳がんの初期治療(乳がんと診断されて最初に受ける治療)

乳腺外科・乳腺内科 柏の葉ブレストクリニック 乳がんの初期治療(乳がんと診断されて最初に受ける治療)

乳がん術後の経過観察

乳がん術後は、長期にわたって経過観察する必要があります。

患者さんの状況により経過観察の期間、間隔、方法は異なりますが、一般的には、経過観察を術後10年程度行う場合が多いです。

乳腺外科・乳腺内科 柏の葉ブレストクリニック 乳がん術後の経過観察
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