乳房の検査
マンモグラフィ
乳房を上下・左右方向に挟んで撮影するレントゲン検査です。
●利点
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石灰化や乳腺の全体像をとらえやすい
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撮影方法が定められており、過去の画像と比較しやすい
●欠点
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微量だが放射線被ばくがある
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乳房を平たくして挟むので痛みを伴うことがある
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妊娠中の方やその疑いがある時は検査できない
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乳腺が発達している方(高濃度乳房の方)は、病変を見つけにくいことがある
●放射線量について
レントゲン検査のため微量ですが放射線被ばくがありますが、乳房の局所的なものです。また1回に被ばくする放射線量はごく微量であり、全身に影響したり、発がん等の可能性はまずないと考えています。
当クリニックでは、撮影時の放射線量が少ないマンモグラフィを導入しています。
●お願い
豊胸術、ペースメーカー、VPシャントの既往の方はお申し出ください。
●所要時間
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院内滞在時間は30分程度
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検査時間は約10分
●検査結果
検査後、当日にご説明いたします。

超音波検査
乳房にジェルを塗り、プローブと呼ばれるセンサーを当てて、上下左右に動かしながら、モニターに乳房の断層面の画像を映し出します。
●利点
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被ばくがない
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妊娠中でも施行可能
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乳腺が発達している人や若年者(40歳以下)で、痛みなく検査ができる
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小さなしこりをみつけやすい
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しこりの質的診断をしやすい
●欠点
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石灰化の評価がしづらい
●所要時間
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院内滞在時間は30分程度
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検査時間は約15分
●検査結果
検査後、当日にご説明いたします。

精密検査
乳がん検診の結果で精密検査が必要な場合や、乳房のしこりや分泌物などの原因がどのような病気によるものかを判断するために、細胞診や針生検を行います。
細胞診
細胞診では、しこりから吸引した細胞や乳頭からの分泌物を顕微鏡を使って観察します。細胞を吸引する際には、細い注射針を使用します。超音波を使って、しこりの位置を画面で確認しながら行う場合もあります。
乳頭から分泌物が出ている場合は、分泌物の細胞診も行います。
●利点
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針が細いため、麻酔は不要
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体への負担が少ない
●欠点
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針を刺した部分に血腫(血の塊)ができることがある
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診断に十分な量の細胞を採取できない場合は針生検(組織診)が必要
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乳がん細胞のサブタイプの診断はできない
●所要時間
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院内滞在時間は超音波検査と合わせて1時間程度
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検査時間は約10分
●検査結果
約1~2週間後にご説明いたします。

針生検(組織診)
針生検では、細胞診よりも太い針を使用して、しこりの組織を切り取り、それを顕微鏡で観察します。局所麻酔を行いますので、ほとんど痛みはありません。マンモグラフィや超音波検査で、採取部位を確認しながら検査を行います。
●利点
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細胞診に比べてより正確な診断が可能
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乳がん細胞のサブタイプの診断が可能
●欠点
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局所麻酔が必要
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針を刺した部分に血腫(血の塊)ができることがある
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細胞診に比べると体への負担が大きい
●所要時間
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院内滞在時間は超音波検査と合わせて1時間程度
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検査時間は約15分
●検査結果
約1~2週間後にご説明いたします。

高濃度乳房(デンスブレスト)について
高濃度乳房は、乳腺組織がよく発達した乳房のことで、病気や異常ではありません。
高濃度乳房の場合、マンモグラフィが全体的に白く見えてしまい、病変が見えづらいため、乳がんなどの早期発見が難しい場合があります。過度に心配する必要はありませんが、高濃度乳房の方は下記の点を意識しましょう。
高濃度乳房(デンスブレスト)の方へ
● 定期的に乳がん検診を受けましょう。
● 乳がん検診は、マンモグラフィと超音波エコー検査の併用をおすすめしています。
● 常日頃からセルフチェックを習慣化しましょう。