9/25に、ペルツズマブ・トラスツズマブ・ボルヒアルロニダーゼ アルファ注(フェスゴ®配合皮下注 )の製造販売承認がなされました。今後、薬価が決まったら使用できる様になります。
HER2陽性乳癌に対する治療薬であるトラスツズマブ(ハーセプチン)は、がん細胞表面にあるHER2タンパクに結合して、直接的に増殖シグナルを阻害・NK細胞や単球を作用細胞とした抗体依存性細胞障害作用・HER2タンパクの細胞室内への取り込みによって抗腫瘍効果を発揮します。同じくペルツズマブ(パージェタ)は、トラスツズマブとは別の部位に結合して、HER2タンパクが他のHERタンパクとペアになって増殖シグナルを出すことを阻害します。2剤を併用ですることでHERシグナル伝達系を強固にブロックします。
このお薬は、ペルツズマブ及びトラスツズマブをそれぞれ固定用量配合し、更に薬液の浸透吸収促進を目的としてボルヒアルロニダーゼ アルファを配合した皮下注射製剤となります。
従来のは静脈注射剤で2剤を投与するのに60~150分かかるのに対し、この薬剤は皮下注射剤であり、5~8分で投与可能となります。投与時間の短縮により利便性の向上が期待され、使用できる日が待たれます。
ちなみにフェスゴは英語でPHESGO、Perjeta Herceptin Easy to Goの略語です。