穿刺吸引細胞診で「鑑別困難 (indeterminate)」のとき
- morishima4
- 3月18日
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穿刺吸引細胞診(FNAC)で鑑別困難という報告がなされることがあります。そのような時、どういった解釈でどういった対応をすることになるのでしょうか。
細胞診では評価可能な細胞が採取(検体適正)時には、対象病変の組織を推定して、「正常あるいは良性」「悪性の疑い」「悪性」と判定するのですが、どうしてもある一定の割合で良性とも悪性とも判断しきれない場合があり、その時は「鑑別困難」とします。細胞そのものの形態・異型度、腺上皮細胞と筋上皮細胞の二相性の有無、細胞の出現状況を総合的に読み解き判定します。
実際の組織としては、乳管内乳頭腫、異型乳管過形成、低悪性度の非浸潤癌、乳腺症型線維腺腫、硬化性病変、アポクリン癌などの特殊な病変などがあります。
判定結果と画像診断との整合性を確認することが大切です。それにより、良性寄りの判断であれば厳重な経過観察、悪性寄りならば針生検などの組織診断を検討します。
診断が難しいというと、質が悪いものと受け取りがちですが、診断がつきにくいということは、悪いものであっても大人しい性質のことが多いです。針生検で組織を調べたとしても診断困難な病変である場合も経験します。その場合は、摘出生検あるいは切除生検を検討します。
診断の大筋の考え方については、2023.11.28のブログ「病変を診断する方法 この〜木、何の木?」も参考にしてください。