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お知らせ

CDK4/6阻害薬って?

  • morishima4
  • 7月22日
  • 読了時間: 2分

ホルモンレセプター陽性HER2陰性の乳がんに対する治療効果を飛躍的に高めた分子標的治療薬の一種であるCDK4/6阻害薬についてです。CDK(Cyclin-Dependent Kinase: サイクリン依存性キナーゼ)は細胞周期を制御する酵素で、CDK4およびCDK6はG1期(DNA複製準備期)からS期(DNA合成期)への進行に関与しています。CDK4/6阻害薬は細胞をG1期で停止させることにより、がん細胞の増殖を抑制させる細胞周期チェックポイント阻害薬です。

日本で使用できるCDK4/6阻害薬には、パルボシクリブ(イブランス)とアベマシクリブ(ベージニオ)があります。どちらも内服薬です。多くの臨床試験の良好な結果から、ホルモンレセプター陽性HER2陰性の乳がんに対して、ホルモン療法(アロマターゼ阻害薬やフルベストラントなど)との併用が標準治療となっています。進行または転移再発乳がんでの使用が主ですが、アベマシクリブは高再発リスク症例の術後の初期治療での適応があります。(日本乳癌学会の2022年版ガイドラインhttps://jbcs.xsrv.jp/guideline/2022/

患者さんのための乳がん診療ガイドライン 2023年版https://jbcs.xsrv.jp/guideline/p2023/

などをご参照ください。)

主な副作用としては、骨髄抑制(好中球減少:パルボシクリブで多い)、下痢(アベマシクリブで多い)などがあり、注意が必要なものとしては間質性肺炎があります。慎重に対応することで、長期に安定使用が可能となります。また、高額な薬剤で、自己負担の上限額を超えた金額が支給される「高額療養費制度」の対象になります。

病態や副作用管理などに応じて最適なCDK4/6阻害薬を選択することで、治療効果の最大化とQOL(生活の質)の維持につながります。

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