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お知らせ

乳腺嚢胞 ( Cyst )

乳腺嚢胞は、分泌物などにより乳管が袋状に拡張したものです。

6/25の【「乳腺症」と言われてるんだけど】のブログでも述べましたが、嚢胞は疾患ではなく、『乳腺の正常な発達と退縮(生理的な変化)からの逸脱: Aberrations of normal development and involution (ANDI)』の一つで、心配なものではありません。状態ですので、多くの場合には両側に複数散在します。女性ホルモンのアンバランス(エストロゲンのプロゲステロンに対する相対的過剰状態)に起因するもので、膨らんだり、しぼんだりします。閉経すると縮小するのが通常です。柔らかいしこりであったり、緊満して固いしこりとして触れたり、何らかの原因で感染して有痛性のしこりとして触れることもあります。

超音波検診をしますとおよそ4人に1人程度の高頻度に数ミリの嚢胞が観察されます。内容液が漿液性の場合には無エコーですが、ミルク・ヨーグルト・チーズの様な濃縮嚢胞の場合には低エコーを呈し、充実性腫瘤あるいは嚢胞内に充実成分を含む嚢胞内腫瘤との鑑別が難しいことがあります。閉経後高齢者に単発の極低エコーの腫瘤を認めた場合は、嚢胞よりもトリプルネガティブ乳がんを考えるなど注意が必要なこともあります。

嚢胞があるからといって、乳がんのリスクが上がるわけでもありませんし、嚢胞そのものが癌化することもありません。基本的に治療の対象にはなりません。

嚢胞が多数散在している乳房内に癌が出来る事はあり得ることなので、自己チェックをする上で、いつもの乳房の触った状態を知っておくことは大切です。


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