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お知らせ

遺伝する乳がんって?

乳がんの中には遺伝するものがあります。全体の7-10%が遺伝性の原因と言われており、そのうち半分強の3-5%がHBOC(Hereditary Breast and Ovarian Cancer syndrome:遺伝性乳がん卵巣がん症候群)と呼ばれる遺伝性の乳がんになります。アンジェリーナ・ジョリーさんが公表してニュースになってご存知の方もおられるかと思います。

HBOCでは、BRCA1遺伝子またはBRCA2遺伝子に「病的な変異」がみられます。これらの遺伝子は細胞に含まれる遺伝子が傷ついたときに正常に修復する働きがありますが、変異によって本来の機能が失われると、遺伝子が修復されずに傷ついたままとなりがんが発症しやすくなります。100%発症するわけではないのですが、乳がんだけでなく、将来的に卵巣がんや膵臓がんや前立腺がんを発症するリスクが高いことが知られています。また、若年発症や同側多発、両側発生などの特徴も知られています。 ちなみにBRCA1遺伝子は、1994年に日本の三木義男先生が同定しました。

HBOCと分かれば、若年時からの早期発見の対策が可能となるほか、患側の乳房全切除の術式選択、リスク低減手術(予防的に対側の乳房を切除したり、卵管卵巣を切除する)の選択をすることが可能となります。また、薬物療法でPARP阻害剤(オラパリブ)の使用対象となります。

この遺伝子の変異は、採血で調べることができます。検査は乳がん診断時点やオラパリブの使用検討時点などタイミングを見て行います。乳がんに罹患した方で、年齢や家族歴などの条件が当てはまるか、オラパリブのコンパニオン診断(オラパリブの適応があるかどうかを調べる検査)の場合に保険診療で検査ができます。性別に関係なく親子、兄弟姉妹は1/2の確率で同じ変異を持つ可能性があり、結果に応じて遺伝カウンセリングが必要となります。検査の内容と意味を理解した上で、受ける受けないの判断をすることになります。

どんどん進歩する医学に、社会や医療の整備が遅れないようにしていかなければなりません。


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