ちょっと難しいですが、お付き合いください。乳房の中に乳がんのしこりが複数ある時の話です。
乳房内には腺葉と呼ばれる扇状の房が15-20個、乳頭を中心に放射状に存在しています。乳がんはその腺葉を侵す病気です。
乳房内に複数の乳がんのしこりが見つかった場合、その起源が同一でない時は多中心性、同一の時は多焦点性として区別します。
位置関係が一つの腺葉に一致しない(例えば、時計軸で2時方向と8時方向に病変がある)時は多中心性で、別々の癌ができたものと考えます。この場合は、乳房温存療法は向きませんし、遺伝性の因子も考慮することななります。
それに対して、一つの腺葉の中に複数の病変がある(例えば、4時方向の乳頭近くとその末梢側に放射状に並んでいる)場合は多焦点性で、同じ根っこから発生しているものと考えます。大きいものを主病変、小さいものを娘結節と呼びます。娘ですので親と似ていることが普通で、娘結節は主病変と似た形状を示します。
娘繋がりで話題が変わりますが、4歳半になる孫娘がいます。私とは似ている部分と似ていない部分があります。孫は遺伝情報を25%共有している第2度近親者になるので、その通りかなと思います。可愛くて仕方ないのですが、じいじとは呼ばせてません。呼び名は秘密にしておきます。