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SERDって?

  • morishima4
  • 2025年12月16日
  • 読了時間: 2分

更新日:2025年12月23日

SERD(Selective Estrogen Receptor Degrader:選択的エストロゲン受容体分解薬、サード)は、ホルモン受容体陽性乳がんの治療で用いられる薬剤です。その名の通り「エストロゲン受容体(ER)を分解する薬」で、ERの働きをブロックするだけではなく、ERそのものを壊して減らすという特徴があります。

これと対比されるのがSERM(Selective Estrogen Receptor Modulator:選択的エストロゲン受容体調整薬、サーム)で、代表例はタモキシフェンです。SERMはERに結合し、組織によってはエストロゲンのように働き、別の組織では逆に働きを抑えます。乳がん細胞に対しては抗エストロゲン作用を示し、一方で骨や子宮内膜にはエストロゲン様作用を及ぼします。

現在、日本で使用できるSERDはフルベストラント(商品名フェソロデックス®)のみで、筋肉注射で投与されます。

閉経後乳がんの標準治療薬であるアロマターゼ阻害薬(AI)は、長期使用で徐々に効果が低下する「耐性(抵抗性)」が問題となります。その主な原因の一つがESR1遺伝子変異です。ESR1はエストロゲン受容体α(ERα)をコードする遺伝子で、この変異によりエストロゲンがなくても受容体が活性化してしまいます。そのため、AIでエストロゲンの産生を抑えても、受容体自体が勝手に働き続け、治療効果が失われます。しかしSERDは受容体そのものを分解するため、こうした場合でもホルモン依存的な腫瘍増殖を抑えることが可能です。特にESR1変異陽性患者にとって、SERDは有力な治療選択肢です。

近年では経口SERDの開発も進み、米国ではエラセストラント(elacestrant)がFDA承認を取得しています。日本での承認・使用開始が期待されます。

※2025.12.22に日本イーライリリーのイムルネストラント(imlunestrant)について、製造販売承認がなされました。


 
 
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