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お知らせ

初期治療における薬物療法

  • morishima4
  • 5月27日
  • 読了時間: 2分

乳がんの診断がついたときに根治を目指す治療のことで、薬物による全身治療と手術などによる局所治療を組み合わせて行います。再発すると根治が難しくなってしまうため、しっかりと初期治療をすることが大切だという考えがあります。

薬物療法の内容は、がんの性質(サブタイプ)と再発リスクに応じて選択され、年齢などの体力条件と患者さんの意向を加味して最終的に合意の上、決定されます。副作用の代償を払って再発リスクを減少させる理屈になります。再発リスクが高い時は、よりしっかりとした薬物選択が必要で、低い時は、より負担の少ない方法を選択します。

臨床試験で設定されたリスク群において、再発回避に統計学的な有意差がある場合、副作用が受け入れられるのであれば、使用が推奨されることになります。例えば、再発を30%減らすパワーがあることがわかっている薬物について、10年で100人中40人が再発するリスク群でシミュレーションしてみると、使用する事で再発を40人から28人に減らすことができる計算になります。全体で見ると①使用しなくても再発しない60人、②使用してもしなくても再発してしまう28人、③ 再発する運命を回避できる12人にわかれます。各個人で見ると、このメリットを享受できる ③なのか①なのか②なのかは、残念ながらわかりません。「効果が証明されたお薬なので、副作用の代償と引き換えにはなりますが、再発の確率を減らすことが出来ますよ。」「根治を目指して使った方がいいですよ。」ということになりなす。

これらを理解の上、納得して治療を選択して進めていくことが大切です。

※「初期治療の考え方」については、2023年8月29日のブログでお話ししてあります。考え方の基本は変わっていませんが、薬はどんどん進歩しています。


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